exhibition
展示
今も使われる、儀礼の場
北アメリカ ナバホの家
今も使われる、儀礼の場
北アメリカ ナバホの家
復元年代
復元方法
丸太で作った多角形のドーム
ナバホは北米インディアンのなかで最大の規模を持つ民族です。彼らは、トウモロコシやムギを栽培し、ヤギ、ヒツジ、ウマを放牧する定住生活を営みました。
彼らの伝統的住居「ホーガン」(ナバホ語で住居を意味する)は、ピニオンマツの丸太と土で造られた多角形の造りで、一つの出入口と二つの窓を持ちます。日の出を敬う伝統と、防風のために、出入口を東向きにして建てられます。
家の内部には仕切りがなく、中央にあるストーブを中心に、左手奥が寝所、右手奥が機織りの作業場、出入口の右が台所、左が馬具、農具置き場と使い分けられています。
儀礼の場
ホーガンは、現在でも病気の治療をおこなう建物としてさかんに使われています。建物の内外には、儀礼や魔よけにまつわるものがあります。扉には幸せを呼び込む力があるとされる蹄鉄が貼られ、入口の上には、悪霊が入ってこないように弓矢がかけられています。
ホーガンの右奥にあるスウェット・ハウスは、焼いた石に木の枝で水をかけ、発生した蒸気を浴びるサウナ風呂で、儀礼前のみそぎに使われます。
手前のパン焼き窯では、薪を焚いて窯をあたため、トウモロコシの粉を水で練った生地を余熱で焼きます。アメリカ大陸が原産地であるトウモロコシは、神としてあがめられ、その粉は悪霊を追い払う力を持つと信じられています。
伝統を受け継ぐ工芸
ナバホ・ラグと呼ばれる毛織物、銀細工、砂絵など、インディアン・アートとして世界に知られる工芸品は、ナバホの人びとが生み出したものです。ホーガンを儀礼の場として使うなど、独自の文化をたいせつに守っています。
本来、病気の治療儀礼などに使われる砂絵は、500種類以上あるといわれます。ホーガンの中央部床に砂絵を描き、儀礼が終わると、描かれた順と逆に消されます。現在、ナバホのサンド・アートは工芸品として人気を集めています。