exhibition
展示
遊牧生活に適した実用的な住まい
モンゴル モンゴルのテント
遊牧生活に適した実用的な住まい
モンゴル モンゴルのテント
中央アジアのステップでウマ、ラクダ、ヒツジなどの遊牧を行うモンゴルのテント「ゲル」。
復元年代
2000年代
復元方法
移築復元
現地建築年代
2005年
広大な草原を旅するくらし
モンゴルの人々は、中央アジアのステップで馬、ラクダ、ヒツジ、ヤギ、ウシを遊牧し、暮らしています。家畜の乳や肉を食べ、毛皮は衣服やゲルの素材に、糞は燃料にと、余すところなく活用しています。そして、豊かな牧草地と水を求め、家畜にとってより良い環境を求めて、1年のうちに何度も移動します。
モンゴル語で「ゲル」と呼ばれるこのテントは、そんな移動生活に欠かせない工夫が凝らされています。「ハナ」と呼ばれる蛇腹式の木組みを広げて壁を作り、中央に2本の柱を立て、屋根棒と円形の環を乗せます。その上に、断熱性に優れた羊毛フェルトを被せれば完成です。一般的な大きさのゲルなら、組み立てはわずか1~2時間、解体は1時間以内。移動もスムーズに行えます。
生活スタイルの変化とゲル

中国内モンゴル自治区にて
近年、多様なライフスタイルが生まれるとともに、ゲルでの暮らしも変化しています。伝統的なゲルに、ストーブや電気配線などの現代的な設備が加わり、太陽光発電を導入する家庭も。遊牧民だった人々が都市周辺にゲルを構え、定住生活を送る姿も見られます。
モンゴル文化のシンボルとして

展示ゲル内部の様子
ここに展示されているゲルは、2005年に開催された愛知万博(愛・地球博)のモンゴル館で実際に使われていたものです。展示用として、一般的なゲルよりも約2倍の大きさに作られています。内部には、モンゴルの文化を感じさせる装飾的なデザインの家具や、豪華な彫刻が展示に合わせて配置されています。ゲルは、モンゴル文化を象徴する重要な存在なのです。