exhibition
展示
家族構成によって伸縮自在のテント
ケニア レンディーレのテント
家族構成によって伸縮自在のテント
ケニア レンディーレのテント
ケニア北部の砂漠地帯でラクダの遊牧をする民族レンディーレのテント。
復元年代
1990年代
復元方法
移築復元
現地建築年代
1990年
砂漠地帯で、ラクダを遊牧するくらし
レンディーレは、ケニア北部の砂漠地帯でラクダやヤギを遊牧する人々です。彼らのテントは、しなやかな木で組んだドーム状の骨組みに、サイザル麻で編んだむしろを被せたものです。入口を入ると土間があり、その奥には皮を敷いた居間が広がっています。居間は向かって右が男、左が女の場として使われます。
解体するとラクダ2~3頭に積むことができるこのテントは、家畜のための草と水場を求めて移動を繰り返すレンディーレの生活に適しており、組み立てや解体は容易に行えます。炉の灰の蓄積具合を目安に、2~3ヶ月ごとに移動しますが、その距離はわずか100mの時もあれば、50kmに及ぶ時もあります。
レンディーレの集落は既婚男性によって管理され、一つの集落には30~40張のテントが配置されます。集落の中央には男性の集会所があり、その周りを家畜の囲いが取り囲み、さらにその外側に個々のテントが配置されます。
テントは女性の持ち物
テントの解体と組み立ては、既婚女性の仕事です。テントの資材は女性の財産で、母親から娘へと分け与えます。娘が結婚するたびに少しずつ与えるので、母親が老婆となったころには、テントはラクダ1頭で十分運べるほど小さくなるといいます。